○薩摩川内市消防職員体力管理規程

平成16年10月12日

消防局訓令第10号

(目的)

第1条 この訓令は、消防職員(以下「職員」という。)の体力管理に関し必要な事項を定めることにより、災害活動その他職務の適正な執行において必要な基礎体力の維持向上に資することを目的とする。

(所属長及び職員の責務)

第2条 所属長(消防局にあっては消防総務課長、消防署にあっては署長をいう。以下同じ。)は、この訓令の定めるところにより所属職員の体力管理に努めなければならない。

2 職員は、この訓令の定めるところにより体力練成を行うとともに、平素から自己の体力増進に努めなければならない。

(体力練成管理者等)

第3条 体力練成を効率的に推進するため、体力練成管理者(以下「管理者」という。)及び体力練成指導者(以下「指導者」という。)を置く。

2 管理者及び指導者は、所属職員の中から所属長が指名するものとする。

(管理者等の職務)

第4条 管理者は、指導者を指揮監督し、次に掲げる職務を処理するものとする。

(1) 体力練成の実施に関する計画等の策定

(2) 体力測定記録等の処理

(3) 職員の体力練成目標設定の指導

(4) 体力練成の実施に伴う安全管理

(5) 職員の体力及び健康状況の把握

(6) 体育器具の保全

(7) 前各号に掲げるもののほか、体力練成の実施に関し必要な事項

2 指導者は、管理者の指揮監督下に前項各号に掲げる職務を処理するとともに、職員の体力練成の指導に当たるものとする。

(体力練成研究会)

第5条 体力練成の指導に必要な知識、技術等の調査及び研究を行うため、管理者及び指導者をもって構成する体力練成研究会を設けるものとする。

(体力練成の方法)

第6条 体力練成は、消防体育実施要領(昭和41年5月6日付自消甲発第15号)に定めるところによるほか、特に職場においては、実施場所、体育器具及び時間等の諸条件を考慮し、別表第1に掲げるトレーニング方法に準じて行うものとする。

(体力練成上の留意事項)

第7条 体力練成を行う場合は、次の事項に留意しなければならない。

(1) 個々の種目の意義及び方法を正しく理解し、明確な目的意識を持って行うこと。

(2) 毎日又は毎当務、反復継続して行うこと。

(3) 単純容易なものから複雑困難なものへ漸増的に進めること。

(4) 常に若干の負荷をかけて行うこと。

(5) 個人差に十分配慮し、それぞれの能力又は可能性に応じて行うこと。

(6) 体力要素のほか、精神力の強化及び健康の増進等にも配慮し、全面的な心身の発達を図ること。

(7) 個人の体力練成だけではなく、組織力の向上及び集団としての協調性のかん養にも努めること。

(体力練成計画等)

第8条 管理者は、体力練成を計画的及び効率的に実施するため、年間における体力練成実施計画を樹立するとともに、別表第2に掲げる例に準じて体力練成プログラムを作成しなければならない。

(体力測定)

第9条 所属長は、職員の体力状況を把握するため別表第3に掲げる方法により毎年1回以上の職員の体力測定を行い、測定結果を別表第4に掲げる体力測定評価基準表により評価するものとする。

2 管理者は、体力測定を実施した場合、その結果を個人別体力管理表(様式第1号)に記録しておかなければならない。

3 管理者は、前項の測定結果に基づいて個人別体力診断票(様式第2号)を作成し、当該職員に交付しなければならない。

4 所属長は、職員の体力測定の結果を消防局長に報告しなければならない。

(目標管理)

第10条 職員は、個人別体力診断票に基づいて自己の体力練成目標を設定し、体力増進を図らなければならない。

(安全管理)

第11条 管理者及び指導者は、体力練成及び体力測定の実施に際して、職員の安全管理上、次に掲げる事項に留意しなければならない。

(1) 職員の健康状態及び疲労度

(2) 実施場所及び使用器具

(3) 運動強度

(4) 予測される危害発生要因の排除

(体育器具の保全)

第12条 管理者は、所属における体育練成施設、設備及び器具の保全に努め、良好な状態で管理するとともに、職員に対しても、維持及び保全に関する教育指導を行うものとする。

(その他)

第13条 この訓令に定めるもののほか、職員の体力管理に関し必要な事項は、消防局長が別に定める。

この訓令は、平成16年10月12日から施行する。

別表第1(第6条関係)

トレーニング方法

(1) 柔軟性トレーニング

種目

主な体力要素

方法

具体例

ストレッチング、真向法

柔軟性

無理な負担をかけない範囲で筋肉や関節を伸ばす。

画像

画像

(2) 筋力・筋持久力トレーニング

種目

主な体力要素

方法

具体例

アイソメトリック(等尺性)トレーニング

筋力

柱、壁等動かないものを利用して全力で押したり引いたりする。自己の身体を利用して行うこともできる。

(静的トレーニング)

画像

画像

アイソトニック(等張性)トレーニング

筋力

バーベル、ダンベル等を使用して一定の負荷を与える。自己の体重を利用して負荷を与える方法もある。

画像

画像

画像

画像

アイソキネティック(等速性)トレーニング

筋力

筋肉動作範囲の全域にわたって最大に近い負荷をかける。トレーニングマシンを使用して行う。

画像

(3) 心肺(全身)持久力トレーニング

種目

主な体力要素

方法

具体例

インターバルトレーニング

心肺持久力

瞬発力

全力又はこれに近い無酸素運動の後、休むことなく軽い運動を続け、再び元の無酸素運動と軽い運動を繰り返す。

画像

レペテション(反復)トレーニング

心肺持久力

瞬発力

一定の運動の後、完全休息をとり、再び元の運動を繰り返す。

画像

持続トレーニング

心肺持久力

比較的軽い運動を休むことなく続ける。

画像

(4) 総合的トレーニング

種目

主な体力要素

方法

具体例

サーキットトレーニング

柔軟性、筋力・筋持久力、心肺持久力のほか、敏しょう性、平衡性等体力要素全部

一連の種目を組み合わせて設定しておき次々に実施していく。

画像

画像

別表第2(第8条関係)

体力練成プログラム(20~30分用)

1 準備運動(5分以上)

(1) 体力練成において主に使う筋肉、関節を伸ばす。

(2) 軽い駆け足をする。

(3) 消防体操、ラジオ体操その他の体操をする。

2 本運動(10~20分)

(1) 厳しい運動のできない人

10~15分速足とジョギングを交互に続ける。徐々にジョギングをできるだけ長く続けられるようにする。

(2) 心肺持久力を強化したい人

ア 10~15分ランニングを続ける。徐々に距離を伸ばしていくようにする。

イ 縄跳びを毎分70~80回、10~15分続ける。

ウ 自転車のチューブを毎分100回を下らない速度で、3~5分続ける。

(3) 総合的に体力を向上させたい人

ア 次の種目についてサーキットトレーニングを2~3セット10~15分実施する。

○けんすい ○上体起こし ○伏臥上体起こし ○腕立て伏せ ○スクワット ○タイヤ引き

イ 体育器具を利用したサーキットトレーニングを2~3セット10~15分実施する。

3 整理運動(5分以上)

体力練成で主に使用した部位の筋肉、関節を伸ばす。また、同部位のマッサージ等を実施する。

別表第3(第9条関係)

第1種体力測定(男子)

実施種目

1 立位体前屈

2 けんすい

3 上体起こし

4 背筋力

実施要領等

実施図等

画像

画像

画像

画像

実施要領

・立位体前屈計上に図示された位置に立つ。

・両手をそろえ、指先を伸ばし、膝を曲げずに徐々に上体を前屈する。

・肩幅の広さで順手握りでぶら下がる。

・鉄棒より下顎が完全に上がるまで身体を引き上げる。

・次に肘を十分に伸ばしてぶら下がる。

・これをできなくなるまで繰り返す。

・仰臥姿勢で両手を肩幅に開き、膝を90度に曲げ両手を後頭部に付ける。

・補助者は、実施者の前で両足首をしっかり押さえる。

・始めの合図で両肘が両膝に触れるまで上体を起こし、再び背中(肩甲骨下部)が床に触れるまで倒し、元の姿勢に戻る。

・この動作をできるだけ速く正しく30秒間行う。

・背筋力計に図示された位置に立つ。

・ハンドルを順手で握り背を伸ばして胸を張り、上体を30度前方へ傾ける。

・補助者は、この姿勢を正しくとらせた後、背筋力計の鎖を調整する。

・膝を曲げないで上体を起こすようにして徐々に力を入れ、ハンドルを全力で引く。

成績測定

・指先の最下端の目盛を成績とする。

・床面より上は+下は-。

・2回実施し、良い方を成績とする。

・単位は、cmとし、未満は切り捨てる。

・鉄棒より下顎が完全に上がった状態の回数を成績とする。

・上体を起こして両肘が両膝に付いた回数を成績とする。

・補助者は、声を出さずに回数を測る。

・背筋力計の指針の目盛を成績とする。

・2回実施して、良い方を成績とする。

・単位は、kgとし、未満は切り捨てる。

注意事項

・反動をつけない。

・両手の指先で測る。

・途中で休まない。

・身体が大きくふれるときは、補助者が止める。

・補助者は、頭がぶつからないようにする。

・後方へ引っ張らない。

・正しい姿勢を確かめる。

・40歳以上は測定しなくてもよい。

体力要素

柔軟性

筋持久力

筋持久力

筋力

5 座位押上げ

6 時間往復走

7 立三段跳

8 5分間走

画像

画像

画像

画像

・椅子に正しくかける。

・30kgのバーベルを胸前で、順手で肩幅に握り、身体の反動を使うことなく腕を完全に伸ばし、頭上まで挙げる。

・次にバーベルシャフトが顎より下がるまでおろす。

・これをできなくなるまで繰り返す。

・スタートラインに立ち、始めの合図で5mの距離を折り返して走る。

・折り返すときは、5mの距離の外側タッチライン又はその外側の床に手を触れなくてはならない。

・この動作をできるだけ速く15秒間行う。

・踏切ライン上に両足先を平行にそろえて立つ。

・その場から両足で踏切って、次に利き足で着地と同時に跳び、更に逆足で着地と同時に跳び、両足で着地する。

・100mのトラックに、10mごとにつけられたマークをスタート点として立つ。

・始めの合図で走り、止めの合図で終わる。

・1分ごとに時間経過を知らせ、4分以後は、4分30秒、40秒、50秒、55秒、56秒、57秒、58秒、59秒、止めと合図する。

・バーベルを頭上に挙げ、腕が完全に伸びた状態の回数を成績とする。

・途中で休んではならない。

・走った距離を成績とする。

・止めの合図で最後に床に着地していた足の位置を距離とする。

・2回実施して良い方の成績とする。

・踏切った足のつま先から、着地位置までの距離を成績とする。

・2回実施して良い方の成績とする。

・単位は、mとする。

・5分間に走った距離を成績とする。

・距離は、10m単位とし、未満は切り上げる。

・1回ごとに1呼吸すること。

・2人以上の補助者をつけること。

・タッチは正確に行い、失敗したときは再度やり直す。

・止めの合図で急に止まらない。

・片足踏切りは、無効とする。

・途中で歩いてもよく、苦しければ中止する。

・呼吸循環器系に疾患のある者は測定しない。

筋持久力

敏しょう性

瞬発力

全身持久力

別表第4(第9条関係)

体力測定評価基準表

以下、別表第3実施種目の順序により

種目

年齢

得点

18~24

25~29

30~34

35~39

40~44

45~49

50~54

55~60

立位体前屈(cm)

10

22~

21~

21~

21~

20~

19~

17~

17~

9

19~

18~

18~

18~

17~

17~

15~

15~

8

16~

16~

15~

15~

15~

15~

13~

13~

7

14~

14~

13~

13~

13~

13~

11~

11~

6

12~

12~

11~

11~

11~

10~

9~

9~

5

10~

10~

9~

9~

9~

8~

7~

7~

4

8~

8~

7~

7~

7~

6~

5~

5~

3

6~

6~

5~

5~

4~

4~

3~

3~

2

3~

3~

2~

2~

1~

1~

1~

1~

1

0~

0~

0~

0~

0~

0~

0~

0~

0

~-1

~-1

~-1

~-1

~-1

~-1

~-1

~-1

立三段跳(m)

10

7.80~

7.70~

7.54~

7.24~

7.08~

6.93~

6.84~

6.61~

9

7.60~

7.45~

7.30~

7.01~

6.86~

6.71~

6.61~

6.39~

8

7.40~

7.20~

7.06~

6.78~

6.64~

6.49~

6.38~

6.18~

7

7.20~

6.95~

6.82~

6.55~

6.42~

6.27~

6.15~

5.91~

6

7.00~

6.70~

6.58~

6.32~

6.20~

6.05~

5.92~

5.75~

5

6.80~

6.45~

6.34~

6.09~

5.98~

5.83~

5.69~

5.54~

4

6.60~

6.20~

6.10~

5.86~

5.76~

5.61~

5.46~

5.32~

3

6.40~

5.95~

5.86~

5.63~

5.54~

5.39~

5.23~

5.10~

2

6.20~

5.70~

5.62~

5.40~

5.32~

5.17~

5.00~

4.92~

1

6.00~

5.45~

5.38~

5.17~

5.10~

4.95~

4.77~

4.70~

0

~5.99

~5.44

~5.37

~5.16

~5.09

~4.94

~4.76

~4.69

時間往復走(m)

10

47~

47~

46~

45~

45~

44~

43~

42~

9

45~

45~

44~

43~

43~

42~

41~

40~41

8

43~

43~

43

41~

41~

41

40

39

7

42

42

42

40

40

40

39

38

6

41

41

41

39

39

39

38

37

5

40

40

40

38

38

38

37

36

4

39

39

39

37

37

37

36

35

3

38

38

38

36

36

36

35

34

2

37

37

37

35

35

34~

33~

33

1

35~

35~

35~

33~

33~

32~

31~

31~32

0

~ 34

~ 34

~ 34

~ 32

~ 32

~ 31

~ 30

~ 30

座位押上げ(回)

10

25~

25~

23~

23~

21~

18~

13~

11~

9

21~

21~

20~

20~

19~

16~

10~

9~10

8

18~

18~

18~

18~

16~

14~

8~

7~8

7

16~

16~

16~

16~

13~

12~

7

6

6

14~

13~

13~

13~

11~

10~

6

5

5

12~

11~

11~

11~

9~

8~

5

4

4

10~

9~

9~

9~

7~

6~

4

3

3

7~

6~

6~

6~

5~

4~

3

2

2

4~

3~

3~

3~

2~

2~

2

 

1

1~

1~

1~

1~

1

1

1

1

0

0

0

0

0

0

0

0

0

種目

年齢

得点

18~24

25~29

30~34

35~39

40~44

45~49

50~54

55~60

5分間走(m)

10

1,450~

1,400~

1,350~

1,330~

1,300~

1,260~

1,240~

1,220~

9

1,400~

1,350~

1,300~

1,280~

1,250~

1,210~

1,190~

1,170~

8

1,350~

1,300~

1,250~

1,230~

1,200~

1,160~

1,140~

1,120~

7

1,300~

1,250~

1,200~

1,180~

1,150~

1,110~

1,090~

1,070~

6

1,250~

1,200~

1,150~

1,130~

1,100~

1,060~

1,040~

1,020~

5

1,200~

1,150~

1,100~

1,080~

1,050~

1,010~

990~

970~

4

1,150~

1,100~

1,050~

1,030~

1,000~

960~

940~

920~

3

1,100~

1,050~

1,000~

980~

950~

910~

890~

870~

2

1,050~

1,000~

950~

930~

900~

860~

840~

820~

1

1,000~

950~

900~

880~

850~

810~

790~

770~

0

~ 990

~ 940

~ 890

~ 870

~ 840

~ 800

~ 780

~ 760

背筋力(kg)

10

196~

206~

207~

205~

197~

193~

184~

174~

9

186~

196~

197~

195~

186~

183~

173~

163~

8

175~

186~

187~

185~

176~

172~

163~

153~

7

165~

176~

177~

175~

165~

162~

152~

142~

6

154~

165~

166~

164~

155~

151~

142~

131~

5

144~

155~

155~

154~

144~

140~

131~

121~

4

133~

144~

145~

143~

134~

130~

121~

111~

3

123~

134~

134~

133~

123~

120~

110~

100~

2

113~

123~

124~

122~

113~

110~

100~

90~

1

107~

113~

114~

111~

102~

100~

90~

81~

0

~ 106

~ 112

~ 113

~ 110

~ 101

~ 99

~ 89

~ 80

上体起こし(回)

10

30~

28~

27~

26~

24~

23~

23~

22~

9

28~

26~

25~

24~

22~

21~

21~

20~21

8

26~

24~

23~

22~

20~

19~

19~

18~19

7

25

22~

22

20~

18~

17~

17~

16~17

6

24

21

21

19

17

16

16

15

5

23

20

20

18

16

15

15

14

4

21~

18~

18~

17

15

14

14

13

3

19~

16~

16~

15~

13~

12~

12~

11~12

2

17~

14~

14~

13~

11~

10~

10~

9~10

1

15~

13

12~

11~

9~

8~

8~

7~8

0

~ 14

~ 12

~ 11

~ 10

~ 8

~ 7

~ 7

~ 6

けんすい(回)

10

16~

14~

12~

12~

10~

9~

9~

8~

9

14~

12~

10~

10~

9

8

8

7

8

12~

10~

8~

8~

8

7

7

6

7

10~

9

7

7

7

6

6

5

6

8~

8

6

6

6

5

5

4

5

7

7

5

5

5

4

4

3

4

6

6

4

4

4

3

3

 

3

5

5

3

3

3

 

 

2

2

3~

3~

2

2

2

2

2

 

1

1~

1~

1

1

1

1

1

1

0

~ 0

~ 0

~ 0

~ 0

~ 0

~ 0

~ 0

~ 0

級別判定表

 

8種目(主として、現場活動に従事する職員)

7種目(40歳以上の職員は、背筋力を除く判定)

総合得点

必要最低点

総合得点

必要最低点

1

72~80

5

63~70

5

2

56~71

4

49~62

4

3

40~55

3

35~48

3

4

24~39

2

21~34

2

5

9~23

1

8~20

1

6

 ~8

 

 ~7

 

備考 実施種目中、1種目でも必要最低点に満たないときは、その最低の級に判定する。

画像

画像

薩摩川内市消防職員体力管理規程

平成16年10月12日 消防局訓令第10号

(平成16年10月12日施行)