○薩摩川内市消防職員等の放射線障害防止管理規程

平成16年10月12日

消防局訓令第11号

(目的)

第1条 この訓令は、薩摩川内市消防職員及び消防団員(以下「消防職員等」という。)が原子力発電所内の管理区域に入域して立入検査を実施し、又は緊急時の消防活動に従事する場合における放射線障害を防止するための必要な措置等を定め、もって管理区域に入域する消防職員等の安全衛生の確保を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 管理区域 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和53年通商産業省令第77号)第1条第2項第4号に定める場所をいう。

(2) 放射線 核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令(昭和32年政令第325号)第4条に定めるものをいう。

(3) 放射線障害 放射線により被ばくし、又は放射性物質により汚染されたことにより生ずる身体上の障害をいう。

(4) 立入検査 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条、第4条の2若しくは第16条の5の規定に基づく立入検査又は法第17条の3の2の規定に基づく消防用設備等又は特殊消防用設備等の検査をいう。

(5) 緊急時の消防活動 法第24条から第30条の2までの規定に基づく消火の活動、法第34条の規定に基づく火災原因等の調査に係る立入検査又は法第2条第9項の規定に基づく救急業務をいう。

(6) 総括安全衛生管理者、安全管理者及び衛生管理者 薩摩川内市職員安全衛生規則(平成16年薩摩川内市規則第49号)に定める総括安全衛生管理者、安全管理者及び衛生管理者をいう。

(基本原則)

第3条 総括安全衛生管理者は、管理区域に入域する消防職員等の放射線障害を防止するための事務を総括する。

2 安全管理者は、総括安全衛生管理者の指示に基づき、消防職員等が管理区域に入域する場合における放射線の被ばくをできるだけ少なくするための必要な措置を講じなければならない。

3 衛生管理者は、消防職員等の放射線障害に係る健康管理及び必要な助言等を行わなければならない。

4 消防職員等は、常に自己管理を図り、自ら放射線障害の防止に努めなければならない。

(消防職員等の被ばく線量の限度)

第4条 管理区域内で消防職員等が受ける実効線量の限度は、次のとおりとする。

(1) 通常の消防活動1回に受ける線量の限度 10ミリシーベルト

(2) 緊急時の消防活動1回に受ける線量の限度 30ミリシーベルト(人命救助等真にやむを得ない場合に受ける線量の限度 100ミリシーベルト)

(3) 平成14年4月1日以後5年ごとに区分した各期間に受ける線量の限度 100ミリシーベルト

(4) 4月1日を始期とする1年間に受ける線量の限度 50ミリシーベルト

2 管理区域内で消防職員等が受ける等価線量の限度は、次のとおりとする。

(1) 4月1日を始期とする1年間に眼の水晶体に受ける線量の限度 150ミリシーベルト

(2) 4月1日を始期とする1年間に皮膚に受ける線量の限度 500ミリシーベルト

(立入検査の命令等)

第5条 管理区域内において立入検査を実施しようとするときは、あらかじめ管理区域立入検査実施伺(様式第1号)により消防局長(以下「局長」という。)の決裁を受けなければならない。

2 局長は、消防職員等に管理区域内における立入検査を命じようとするときは、当該消防職員等の過去の放射線被ばく線量を調査し、健康管理上支障がないか確認の上、管理区域立入検査実施命令書(様式第2号)により、これを行うものとする。

3 局長は、前項の規定による立入検査を命じた場合において必要があると認めるときは、原子力発電所の管理責任者(以下「施設管理者」という。)に対し、管理区域立入検査実施通知書(様式第3号)により、事前に通知するものとする。

(立入検査前の協議)

第6条 立入検査のため管理区域に入域しようとする消防職員等は、次に掲げる事項について施設管理者と協議するものとする。

(1) 原子力発電所からの立会者

(2) 放射線障害の防止に関する事項

(3) 搬入する機材等の種類及び数量

(4) 前3号に掲げるもののほか、必要と認める事項

(立入検査による入域時の手続)

第7条 消防職員等は、立入検査のため管理区域に入域するときは、施設管理者の指示に従い放射線被ばく線量の測定を受け、放射線被ばく線量測定器具及び放射線防護服を装着しなければならない。

2 局長は、必要があると認めるときは、管理区域に入域する消防職員等に放射線被ばく線量測定器具及び放射線防護服を装着させるものとする。

(立入検査時の遵守事項)

第8条 管理区域内において立入検査を実施する消防職員等は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 立入検査を実施する施設の配置状況等を事前に検討し、最少の人員及び時間で立入検査を実施し、不必要に放射線を受けることを回避すること。

(2) 管理区域への入域は、原子力発電所からの立会者がいなければ行わないこと。

(3) 管理区域内に物品を持ち込む必要があるときは、事前に施設管理者と協議すること。

(4) みだりに管理区域内の施設、物品等に触れないこと。

(5) 管理区域内での喫煙又は飲食は行わないこと。

(6) 前各号に掲げるもののほか、施設管理者が放射線障害の防止等のため指示したこと。

(立入検査後の手続)

第9条 消防職員等は、立入検査を終え管理区域を退域するときは、施設管理者の指示に従い放射線被ばく線量の測定を受ける等放射線障害防止のための必要な措置を受けなければならない。

2 前項の測定を受けた消防職員等は、個人別被ばく管理票(様式第4号)に必要事項を記入の上、施設管理者の確認を受け、管理区域立入検査等結果報告書(様式第5号)に添付して局長に提出しなければならない。

(緊急時の消防活動による入域)

第10条 局長は、管理区域内で火災その他の緊急事態が発生した場合において、消防職員等を緊急時の消防活動に従事させる必要があると認めるときは、口頭により管理区域内への入域を命令し、又は承認することができる。

2 前4条の規定は、管理区域内において緊急時の消防活動を実施する場合について準用する。ただし、緊急時の消防活動のため管理区域に入域する際の放射線被ばく線量の測定は省略することができる。

(被ばく事故等に対する措置)

第11条 管理区域内において立入検査又は緊急時の消防活動(以下「立入検査等」という。)に従事している消防職員等は、その執行中に著しく放射線を受けたとき、若しくは放射性物質により汚染されたとき、又はそのおそれが生じたときは、直ちに立入検査等を中止し、当該区域から退避するとともに、局長にその旨を報告しなければならない。

2 立入検査等に従事した消防職員等は、第9条第1項又は前条第2項の規定により準用する第9条第1項の規定による放射線被ばく線量の測定の結果、第4条に定める被ばく線量の限度を超えて放射線を受けていたとき、若しくは放射性物質により著しく汚染されていたとき、又はそのおそれがあるときは、直ちに施設管理者の指示に従い必要な措置を講ずるとともに、速やかにその旨を局長に報告しなければならない。

3 局長は、前2項の規定による報告があったときは、直ちに衛生管理者に放射線障害の防止のための必要な措置を命ずるとともに、その旨を市長に報告するものとする。

(健康管理)

第12条 安全管理者は、立入検査等のため管理区域に入域した消防職員等についての放射線被ばく線量記録書を整理し、常に消防職員等の放射線被ばく線量の状況を把握しておかなければならない。

2 衛生管理者は、第4条に定める被ばく線量を超えない範囲内において総括安全衛生管理者が別に定める限度を超えて放射線を受けた消防職員等については、特別健康診断を受けさせ、その結果を特別健康診断記録書(様式第6号)により、総括安全衛生管理者に報告しなければならない。

3 総括安全衛生管理者は、前項の特別健康診断の結果、放射線障害を受け、又は受けているおそれがあると診断された者については、その程度に応じ健康管理上必要な措置を講じなければならない。

(記録の保存)

第13条 安全管理者は、放射線被ばく線量記録書を、衛生管理者は特別健康診断記録書その他必要と認める書類を、消防職員等個人ごとに区分の上、保管しておかなければならない。

2 前項の書類その他この訓令に基づく文書の保存期間は、永年とする。

(その他)

第14条 この訓令に定めるもののほか、放射線障害の防止に関し必要な事項は、局長が別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成16年10月12日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の日の前日までに、解散前の川内地区消防組合消防職員等の放射線障害防止管理規程(昭和60年川内地区消防組合訓令第1号)の規定によりなされた手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなす。

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薩摩川内市消防職員等の放射線障害防止管理規程

平成16年10月12日 消防局訓令第11号

(平成16年10月12日施行)