○薩摩川内市消防局火災調査規程

平成16年10月12日

消防局訓令第22号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 調査業務体制(第4条―第14条)

第3章 調査業務処理の基本(第15条―第20条)

第4章 調査業務の執行(第21条―第33条)

第5章 調査結果の記録等(第34条―第39条)

第6章 雑則(第40条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。

(調査の目的)

第2条 調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして、火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

(定義)

第3条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 火災 人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、若しくは放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し、若しくは拡大した爆発現象をいう。

(2) 爆発現象 化学的変化による爆発の1つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガス及び熱を発生し、爆鳴、火災及び破壊作用を伴う現象をいう。

(3) 調査 火災現場から火災予防を主とする消防行政施策の資料を収集し、活用するための質問、現場見分、鑑識、鑑定、実験、照会等の一連の行動をいう。

(4) 鑑識 火災の原因及び損害の判定のため、専門的な知識、技術、経験及び機器を活用し、総合的な見地から具体的な事実関係を明らかにすることをいう。

(5) 鑑定 火災にかかわる物件の形状、構造、材質及びこれに関連する現象について、科学技術的手法により、必要な試験及び実験を行い、その結果をもとに火災原因の判定のための資料を得ることをいう。

(6) 調査員 調査に従事する消防職員をいう。

(7) 関係者等 法第2条第4項に定める関係者並びに火災の発見者、通報者、初期消火者及びその他調査の参考となる情報を提供しうる者をいう。

(8) 製造物 製造物責任法(平成6年法律第85号。以下「責任法」という。)第2条第1項に定める製造又は加工された動産をいう。

(9) 欠陥 責任法第2条第2項に定める欠陥をいう。

第2章 調査業務体制

(調査の基本)

第4条 調査は、物的調査を主体とし、関係者等の供述に基づいて検討を加え、先入観念にとらわれることなく、科学的方法による合理的な事実の解明を図らなければならない。

(調査の区分及び範囲)

第5条 調査の区分は、火災原因調査及び火災損害調査とし、その範囲は次に掲げるとおりとする。

(1) 火災原因調査

 出火原因 火災の発生経過及び出火箇所

 発見 通報及び初期消火状況、発見の動機、通報及び初期消火の一連の行動経過

 延焼状況 火災の延焼経路、延焼拡大要因等

 避難状況 避難経路、避難上の支障要因等

 消防用設備等の状況 消火設備、警報設備及び避難設備の使用、作動等の状況

(2) 火災損害調査

 人的被害の状況 火災による死傷者、り災世帯、り災人員等の人的な被害の状況及びその発生状況

 物的損害の状況 火災による焼き、消火、爆発等による物的な損害の状況

 損害額の評価等 火災により受けた物的な損害の評価、火災保険等の状況

(調査責任)

第6条 消防局長(以下「局長」という。)は、管轄区域内の調査責任を有する。

(調査員)

第7条 局長は、調査を実施するため、予防課及び消防署に調査員を置く。

2 予防課に置く調査員(以下「本部調査員」という。)は、予防課職員をもって充て、消防署に置く調査員(以下「署調査員」という。)は、消防署長(以下「署長」という。)が所属職員の中から選任した者をもって充てる。

3 署長は、署調査員のうちから主任調査員を指定するものとする。

(本部調査員の調査)

第8条 局長は、次の各号のいずれかに該当する火災の場合は、本部調査員を派遣して調査に当たらせることができる。

(1) 建物火災で炎上のもの

(2) 建物火災で放火又は放火の疑いがあるもの

(3) 製造物の欠陥に関するもの又は製造物の欠陥の疑いがあるもの

(4) 出火原因決定上不審があるもの

(5) 大規模な林野火災等局長が特に必要と認めたもの

(署の調査員の調査)

第9条 署長は、管轄区域内の火災を覚知したときは、直ちに調査を開始しなければならない。

(調査結果の活用等)

第10条 予防課長(以下「課長」という。)及び署長は、調査結果を分析し、及び検討して、火災の実態を明らかにするとともに、これを消防行政に反映できるよう努めなければならない。

(類似火災への対応)

第11条 課長は、調査結果から製造物の欠陥による類似火災が予想される場合その他必要があると認めるときは、当該火災に係る資料の収集に努めなければならない。

(照会等)

第12条 局長は、必要があると認めるときは関係機関に対し、必要な事項の通報を求め、又は火災調査関係事項照会書(様式第1号)により照会することができる。

(鑑定の依頼)

第13条 局長は、火災原因調査に必要があるときは、鑑定依頼書(様式第2号)により公的機関に鑑定を依頼することができる。

(調査体制の確立)

第14条 課長及び署長は、調査体制の万全を期するとともに、調査員に対して調査に係る知識及び技術を教養し、調査技術の向上が図られるよう努めなければならない。

第3章 調査業務処理の基本

(主任調査員等の責務)

第15条 主任調査員は、調査業務を適正に推進するため、他の調査員に対し、積極的に指導又は助言を行わなければならない。

2 調査員は、調査上必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 調査員相互の連絡を図り、調査業務の進行が円滑に行われるよう努めること。

(2) 調査に際し、関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに、個人の自由及び権利を不当に侵害することのないよう留意し、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。

(3) 警察機関その他の関係機関とは密接な連絡をとり、相互に協力して調査を進めること。

(立入りの原則)

第16条 調査員は、調査現場その他関係ある場所へ立ち入るときは、関係者等の立会いを得ることを原則とする。ただし、関係者等の承諾を得て、2人以上で立ち入る場合は、この限りでない。

(死者が生じている場合の扱い)

第17条 局長は、火災現場において死者を発見した場合は、所轄警察署長に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。

(質問)

第18条 調査員は、関係者に対して調査上必要な事項を質問し、火災状況の把握に努めなければならない。

2 前項に規定する質問事項は、質問調書(様式第3号)にその内容を記録しなければならない。

3 質問調書は、被質問者に閲覧させ、又は読み聞かせ、記載事項に誤りのないことを確認したときは、当該質問調書に署名押印を求めることができる。

(少年等に対する質問等)

第19条 前条第1項に規定する質問を行う場合において、関係者が少年(当該質問を行う日において18歳未満の者をいう。)及び身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に定める身体障害者(以下「少年等」という。)であるときは、立会人を置いて行うものとする。ただし、立会人を置くことにより、真実の供述を得られないと判断されるときは、この限りでない。

2 調査員は、前項の質問を行うに当たっては、少年等の心情を考慮し、十分な理解をもって当たらなければならない。

3 調査員は、少年等を現場見分の立会人としてはならない。ただし、年齢、心情その他諸般の事情により支障がないと認められる場合は、この限りでない。

(安全管理)

第20条 課長又は署長は、調査現場等の特性に応じた安全管理に努めなければならない。

第4章 調査業務の執行

(火災出場時の見分状況把握)

第21条 火災に出場した調査員及び職員は、出場途上及び消防活動現場において、火災の状況の見分に努めなければならない。

(現場の保存)

第22条 各消防隊の指揮者及び職員等は、火元付近の消火に際しては、細心の注意を払い、努めて焼失前の状態を推知できるよう現場の保存に努めなければならない。

2 現場最高指揮者は、消火活動終了後直ちに現場保存の必要な区域を設定し、その保存に努めなければならない。ただし、その区域が既に警察官によって保存されているときは、この限りでない。

(調査現場の指揮)

第23条 課長又は署長は、調査の進行の万全を期するため調査の指揮者を定めなければならない。

2 調査の指揮者は、現場見分、写真撮影、図面作成、発掘等の各担当者を指定し、組織的に調査の進行を図るものとする。

3 調査の指揮者は、関係者等への質問を行うに当たっては、重複を避け、効率的な調査を行わなければならない。ただし、調査上必要な場合は、この限りでない。

(現場立会人)

第24条 現場の調査は、関係者を現場立会人として実施しなければならない。ただし、特別な事情により関係者が不在でやむを得ない場合は、警察官又は関係者の近親者その他適当な者を立会人とすることができる。

2 現場立会人は、見分しようとする場所又は物件に直接関係する者を優先しなければならない。

3 調査現場において、調査のため必要がある場合は、関係者の了解を得て、当該火災に関する物件(以下「物件等」という。)の製造者等を立会人とすることができる。

4 前各項により現場の立会いを求めた場合は、安全管理、言動等に配意しなければならない。

(火災原因調査)

第25条 調査員は、調査の指揮者の指示に従い、第5条第1項第1号に規定する火災原因調査を実施するものとする。

2 前項の調査は、人的調査のほか、建築物、工作物及び建築設備並びに火気使用設備器具等の構造、機能、材質等に着目し、製造、施工及び保守管理の状況を調べるものとする。

(発掘)

第26条 出火原因の調査は、現場見分状況及び火災出場時の見分状況並びに関係者等の供述を総合的に判断して、出火範囲を限定し、現場の発掘(以下「発掘」という。)を行うものとする。

2 発掘は、出火範囲として限定した区域を周囲から出火箇所付近へ順次実施するものとする。

3 見分に伴う発掘に際しては、立会人の供述に基づく物品配置等に留意し、物件等の現状確保に配意しなければならない。

4 前項の発掘は、原状を復元する観点に立って行うものとする。

(出火原因等の検討及び物件の鑑識等)

第27条 出火原因の検討は、前条に規定する発掘の結果、出火箇所が判定された段階において行うものとする。

2 前項の検討は、発掘された物件等の鑑識結果及び出火箇所付近の焼損状況並びに延焼経路を参考にして行わなければならない。

(火災損害調査)

第28条 調査員は、調査の指揮者の指示に従い、第5条第1項第2号に規定する火災損害調査を実施するものとする。

2 損害額の算定は、別に定めてある火災損害額算出基準に基づき、算出するものとする。

(調査終了時の措置)

第29条 調査の指揮者は、調査現場における調査が終了したときは、関係者に終了した旨を告げるものとする。

(立証のための調査)

第30条 課長又は署長は、調査現場において焼損物件等の分解や見分が困難な場合は、日時を改めて、火災原因等の究明に関する詳細な見分(以下「立証のための調査」という。)を行うものとする。

2 課長又は署長は、製造物からの火災に関連すると認められる場合は、第13条に定める鑑定依頼に配意し、前項の規定による調査を行うものとする。

(物件等の提出)

第31条 課長又は署長は、現場において立証のための調査が必要と認められる場合は、関係者の了解を得て物件等を提出させるものとする。

2 課長又は署長は、任意に提出させた物件等については、資料提出承諾・受領書(様式第4号)により処理するものとする。

3 課長又は署長は、立証のための調査が終了したときは、努めて物件等を返却するものとする。

(資料提出命令)

第32条 局長は、前条の規定によっては物件等の確保が困難と認められる場合は、法第34条の規定に基づき、関係者等に対し、資料提出命令書(様式第5号)による物件等の提出を命ずるものとする。

(物件等の保管及び返還)

第33条 局長は、前条の規定により物件等の提出があった場合は、提出者に対し資料保管書(様式第6号)を交付し、所有権を明確にしておかなければならない。

2 前条の規定による物件等には、保管票(様式第7号)を付し、保管品台帳(様式第8号)に記載してこれを保管しておかなければならない。

3 物件等を返還する場合は、資料保管書と引換えに行うものとする。

第5章 調査結果の記録等

(調査書類の作成及び管理)

第34条 課長又は署長は、管轄区域内で発生した火災について、本章の規定により火災調査に必要な書類(以下「調査書類」という。)を作成しなければならない。

2 前項の規定に基づき作成した書類は、予防課で保管するものとする。

(即報)

第35条 課長又は署長は、火災現場から帰署後直ちに、火災即時報告書(様式第9号)を作成し、局長に報告しなければならない。ただし、局長が必要と認めたときは、調査中であってもその概況を口頭で報告しなければならない。

(調査に必要な書類)

第36条 調査書類は、次のとおりとする。

(1) 火災調査書(様式第10号)

(2) 火災原因判定書(様式第11号)

(3) 火災出場時における見分調書(様式第12号)

(4) 現場見分調書(様式第13号)

(5) 質問調書(様式第3号)

(6) 火災原因鑑定書

(7) 損害調書(様式第14号)

(8) 死者の調査書(様式第15号)

(9) 負傷者の調査書(様式第16号)

(10) 図面等

 火災防ぎょ図

 現場詳細図

 付近見取図

 建物平面図

2 調査書類には、調査の内容を明らかにするため、必要な写真を添付するものとする。

(調査書類の報告)

第37条 課長又は署長は、前条の規定により作成した書類を火災覚知の日から起算して、15日以内に局長へ報告しなければならない。ただし、鑑定等を必要とする火災で、期限内処理が困難と予想される場合は、その旨を局長へ報告するものとする。

(照会の対応)

第38条 局長は、裁判所、捜査機関等から調査結果の内容について照会があった場合は、調査書類の抄本を送付し、又は内容について、回答することができる。

(照会対応の原則)

第39条 前条の規定による照会対応は、個人の名誉及びプライバシーを尊重するとともに、その他消防行政に及ぼす影響に細心の注意を払い、対応するものとする。

第6章 雑則

(その他)

第40条 この訓令に定めるもののほか、火災の調査の執行に関し必要な事項は、局長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この訓令は、平成16年10月12日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、解散前の川内地区消防組合火災調査規程(平成8年川内地区消防組合消防本部訓令第1号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなす。

附 則(平成24年4月1日消防局訓令第2号)

この訓令は、令達の日から施行する。

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薩摩川内市消防局火災調査規程

平成16年10月12日 消防局訓令第22号

(平成24年4月1日施行)

体系情報
第12編 防/第3章 火災予防
沿革情報
平成16年10月12日 消防局訓令第22号
平成24年4月1日 消防局訓令第2号